こころに響く世代間交流 本橋末子さん

 

当NPOの副理事を務めてくださっている、会で最年長の本橋末子さん。私たちの活動フィールドの田んぼの地主さんです。

「伝統文化の継承」「コミュニティの再構築」「農地の保全」という当会の主旨から、農地を提供してくださり講師の一人として教えてくださっています。末子さんは、稲作の名人。田植えイベント時にも、初体験の市民の方へわかりやすく説明し、「サッササッサ」と見本を見せてくださいます。その姿はほれぼれするほどで、2014田植えイベントでも、「年齢を感じさせない身のこなしはさすがプロだ」とうわさになっていたほどです。米だけでなく野菜づくりもお上手で、2013年新嘗祭にお供えしたさつまいもは絶品でした。

さて、一つエピソードをご紹介。私がちょっとした悩みをぽろりと打ち明けてしまった、ある午後のこと。

末子さんは

「考えすぎるのはよくないですよ。わたしもね、昨日、久しぶりに都心に出たんだけどね、目的の場所がよくわからなかったのよ。だけど、なんとなく電車にのって人の波についていったらちゃんと行けたのよ。…だから大丈夫」

とやわらかなたとえ話をしてくださいます。「考えず進んでいけば着いた」。

まったく関係のないところから、こころに響く励まし話をしてくれるところはまさに年の功といえるし、この機転はあざやかです。

「自分たちの世代(80代)、子どもの世代(50代)、孫世代(20代)と生活スタイルもまったく違うし、考え方やコミュニケーションのあり方も違う。それにいまはこういう時代だから大変よ」と笑顔でおっしゃいます。

だからこそ、世代間交流のある、わたしたちの行っている事業には何らかの意味もあるだろう、と気をとりなおすことができました。

歴史上において、日本女性はなかなかおもてには出てくることが多くありません。しかし私は、女性の大先輩で、とても魅力的に年齢を重ねている人をたくさん知っています。女性としてリーダーシップをとっていると、前向きに生きていても、これがつらい壁にも多くぶつかります。そのたびごとに、すこしへこんでしまうのですが、いつも誰かに助けられ、ここまで歩いてきました。

こういう出会いができるのが世代間交流であり、市民活動の現場なのです。